2014年12月10日水曜日

紙版画と木版画

 この時期、どこの小学校も毎年図工の時間に取り組むのが、版画です。
学年によって、紙をちぎったりはさみで切ったりして作る紙版画と、木の板を彫刻刀で削って作る木版画に分かれます。

1年生は、初めての版画です。なかなかイメージできにくいところを、丁寧に指導していきます。
 











紙を手でちぎることで、温かな雰囲気の作品に仕上がります。でも、低学年の子どもたちにとっては、この「ちぎる」という手の動きがなかなか難しいのです。普段の生活の中で、お菓子や薬の袋を開けるときにするあの動きです。

画用紙だけでなく、段ボール紙の中のうねうねしている部分、織り目がはっきりしている布、毛糸、梱包材など、素材のもつおもしろさを活用することもあります。

また、4年生から挑戦する彫刻刀を使っての木版画は、授業担当者としてははらはらする時間です。最近は、かなり安全性を重視した安全カバー付きの彫刻刀もありますが、それでも、ついつい板を押さえる手が前に出てしまったり、彫刻刀を横に動かして板の上を滑ってしまったり・・・。けがをしないようにと注意を促す声かけも多くなります。下絵どおりに彫り進めるのが難しく、線からはみ出して不要な線が入ってしまったり、残したい部分を彫ってしまったりとなかなか思い通りにいきません。集中力、板を押さえる手の力、手先の器用さなどが必要になってきます。

でも、子どもたちは、版画が大好きです。少しくらい失敗しても、それを生かして新たな作品に仕上げていきます。印刷するときには、ワクワク・どきどき、白黒で表現される版画の魅力に思わず歓声が上がります。出来上がった作品をみんなで見せ合いっこするのが今からとても楽しみです。