2013年6月14日金曜日

授業紹介(3年生)算数

今回は、3年生の算数の授業を紹介します。算数でも、活用力をより伸ばすために、自分の考え方を人に伝えたり、人の考え方を聞いて自分の考え方を深めたりするといった活動が取り入れられています。今回は、直径10cmのボールが6個、横30cm、縦の長さが分からない直方体の箱に入っているとの想定で、箱の縦の長さを求める計算を行うのですが、縦の長さを求めることが最終目的ではありません。なぜそのように求めることができるのかを他の人に説明できることが最終課題です。
本校の研究主題は、「自分の考えを持ち、伝え合い、学び合う児童の育成」です。学習内容を身につけることも大切ですが、その知識を獲得するための手段を身につけておくことの方が、知識基盤社会の中ではより必要な資質能力ではないだろうかと考えているからです。先生は、まず自分の考えをしっかり持つことができるよう、工夫したワークシートや、実際に触りながら考えることができる模型を用意して、思考を深めるための支援を行っています。
計算で答えを導き出すことはできても、それを他の人に説明するためには、自分の考え方をはっきりとさせる必要があります。児童たちは、他の人に説明できるようにと大きめのシートに自分の考えを書き入れていました。しかし、この作業は、3年生の子どもたちにとってはかなりハードルの高いものです。かなり苦労している様子が伝わってきます。また、様々な考え方をしていることもわかりました。
もうすでにその知識を身につけている大人とは違って子どもたちは、試行錯誤しながらその概念を身につけていきます。最初から合理的な思考で答えにたどり着くものではありません。同じ20cmという正解を導き出したとしても、その思考過程は千差万別です。このような授業では、子どもの思考過程がよく見えてきます。今獲得過程にいて試行錯誤している子どもたちの立場に立って支援できる教師を目指すことが、研究主題に迫る方法ではないかと思いました。その観点からも、今回の授業は大変すばらしい授業でした。