2013年7月16日火曜日

授業紹介(5年生)算数

本校では、「自分の考えを持ち、伝え合い、学び合う子の育成」をテーマに授業研究を進めています。今回は、5年生の算数「式と計算」の単元で研究テーマにせまる提案授業がありました。お菓子が描かれた図をもとに個数を求める式をつくり、さらにそれを他の人に分かるように説明文を付けます。単なる思いつきや当てずっぽうでは説明まではできません。また、式はひとつではなく、多様な考え方ができます。児童たちは、問題が提示されるや否や、自分の考えをワークシートに記入していました。
中には一人で3~4通りの考え方を見つける児童もいます。ただ、自分の考えを明らかにするには、他の人にきっちり説明できないと本物ではありません。3~4人のグループになって、お互いに考えた式を披露し合います。同じ考えや自分は思いつかなかった考えがグループの中で共有されていきます。グループによっては、議論が白熱して対話がヒートアップする場面も見ることができました。それだけ児童は課題に食いついています。
グループで見つけ出した考え方を図と式にして全体で発表します。担任の先生は、ここでひと工夫して、自分の班が提案したのとは違う図と式を全体の場で説明するように求めます。アメリカ国立トレーニングセンターにより明らかにされたラーニングピラミッドでは、他人に教えた経験は平均記憶率が90%と最も学習効率のよい方法です。他の人の考えを理解して、別の人に伝えるといった高度なコミュニケーション法を取り入れ、理解の深度を図る工夫がなされています。
児童たちは、出された多くの考えを自分のものにしようと一生懸命考える姿を見ることができました。このほかにも班の中のやりとりで、お互いの考え方を補完し合ったり、十分ではない理解を深め合ったりする場面も見ることができました。一方的な講義ではない、様々な工夫のある授業づくりを通して、これからの時代に「生き抜くことができる」児童の育成に取り組んでいます。